BELTONアップライトピアノのご紹介
みらい音楽スタジオにあるBELTON (ベルトーン) ピアノはレオニード・クロイツァー (Leonid Kreutzer) という人物が命名したピアノです。蓋を開けるとライオンのロゴと彼の名前が刻印されています。レオニード・クロイツァーはドイツと日本で活躍したロシア生まれのピアニストで指揮者です。ラフマニノフの自作自演のピアノ協奏曲第2番の指揮をしたことでも有名です。彼は日本に1931年来日いたしました。その後再来日してから死去するまで東京音楽学校 (現在の東京芸術大学) の教授で教鞭をとっておりました。その門下生には今現在も国内外で活躍する多くの音楽家がおります。
彼が命名したベルトーンピアノはピアノ調律界では著名な沢山清次郎氏による指導の下、戦後浜松の富士楽器製造 (ベルトーンピアノ研究所) にて製造された国産ピアノです。細部まで丁寧に製造されたピアノでベルトーンの名前のようにベルのようにしっかりと音が鳴ります。鍵盤の素材は象牙です。弾いていると指が鍵盤に吸い込まれるかのように深くなじんできます。とても深く荘厳な鍵盤のタッチは昨今のピアノに比べると若干重たいと感じるかもしれません。
このベルトーンピアノはある民家に使用されずに何十年も埃をかぶった状態で眠っていたところを知り合いの紹介によりスタジオ管理人が譲り受け、部分的なオーバーホールを行い使用できる状態にまで復活させたピアノです。弦やフェルトや鍵盤などほとんどの部品は当時のまま変わらずで使用できるようになりました。
この機会に滅多に弾くことはできない国産の貴重なティークピアノを一度弾いてみてはいかがでしょうか?かつてのピアノの音色がどのようなものか聴いてみる価値は十分にあるでしょう。皆様のご利用を心よりお待ちしております。